「シン・ゴジラ」の感想
- 2016/08/01
- 18:52
見て参りました。
かなり面白い作品だと思います。
僕の中で、ギャレスゴジラが75点の優等生的なゴジラ映画だとすれば、庵野ゴジラは若干尖った部分がありつつも85点くらいの作品です。
破壊の規模がデカ過ぎて、カウントを諦めたくなりました。
民間人の視点を完全に削り、「日本政府VSゴジラ」という部分に特化しています。
政府官僚から自衛隊まで、日本の各組織の要人連中が「あ~しよう、こ~しよう、あ~でもない、こ~でもない」と、決断力が鈍かったり、ちょっと頼りない部分などありつつ、日本の為に死力を尽くすのです。
国民の為に勤める、頑張る公務員の映画と言っていいかもしれません。
「こんな愛国心がある政治家いねぇ!」とか「日本政府がこんな有能なわけがない」なんて声も上がるかもしれませんが、熱いのは間違いないでしょう。
破壊の規模も素晴らしく、ゴジラの足元で粉々に粉砕される建物の描写もたっぷり。
火力満点自衛隊による総攻撃も中々のボリュームで(ミリタリーな描写もバッチリ)、「クローバーフィールド」「ギャレスゴジラ」で欲しかった、怪獣映画の醍醐味たるモノを悉く盛り込むことに成功しています。
昨日観たばかりですが、すぐまた観直したくなりました。
CGはやはり、ハリウッドより一段劣るといった感じなのですが、この迫力。この面白さ。
映画で大事なのは予算じゃない、どう見せ、どう演出するのか、なのだと再確認させられます。
物語の進展も贅肉を落としたようにハイテンポで、初見だとちょっと驚いてしまいますね。
総じて、派手で面白い、日本産の日本人のためのゴジラと思います。
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が、
武力行使に関する日本の法律や、過去の戦争、日本は事実上アメリカの属国、米軍が東京で核攻撃を行おうとする、などといったシビアな所にも足を踏み込んでおり、純粋な怪獣娯楽映画ではなく、ポリティカルな方面に深い印象を持つ作品です。
良いのか、悪いのか、子供向けという感じは全くありません。
ゴジラも、いつも通りの「堅くて・重くて・強くて」というイメージを保持しつつ、奇形動物的な気味の悪さ、怖さを併せ持っており、人類にとっての究極最悪の脅威として描かれています。
従来にあった「街をぶっ壊しつつも結果的には人類の脅威を排除してくれる」みたいな甘っちょろい所はありません。
「恐怖」たるイメージとしては「初代ゴジラ」に近いが、庵野監督のオリジナリティが発揮された斬新なゴジラ像の構築がなされています。僕は好きです。
登場人物のキャラクター性は完全にアニメのノリで、現実離れした印象もあり。
人間側パートは「エヴァンゲリオン」をまんま実写でやってる感じですね。
専門用語っぽい小難しいことを矢継ぎ早に、早口で言い合うような議論のシーンが多く、
ここら辺は割とオタク臭いので、一般ウケがどうなるのか気になります。
(実際の官僚もかなり早口で喋るとかで、頭の回転が凄く早い、日本のエリート達の会話を再現したらしいです)
僕は大好きです!
間違いなく面白いが、万人向けゴジラではないと言った感じがあります。
ただ、
伝統あるが故に、どう作っても批判の声が上がりそうな「ゴジラ」というコンテンツにおいて、良い塩梅に面白さを詰め込んだ良作だと考えます。
おススメです!!
蒲田や鎌倉からゴジラが上陸してきたり、京浜急行が吹っ飛ばされたり、関東住みの方には身近なネタも多いです。
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