アドルフ・ヒトラー職業: ドイツ第三帝国 国家元首

俳優:ブルーノ・ガンツ
劇中映像内で確認できる戦果
敵:0人
武器と内訳:
敵:0人制圧
武器・手段
計:0人 本編156分: 殺/分
ナチス、ヒトラーというと映画では典型的な悪党であったり、怪物のように扱われますが、本作は
アドルフ・ヒトラーの人間的側面を描き出そうとした作品で、側近の一人であり総統秘書
ユンゲの証言を基にヒトラー自決までの地下壕での日々を描いています。
時にはただの優しいおじさんであり、時には冷血な独裁者、
覆すことの出来ない「敗北」という絶望の中、彼は最後までもがき苦しみます。
秘書を面接する総統:
「わざわざすまない こんな真夜中に。戦時は時間さえ自由にならぬのでね。」「緊張しなくていい。気を楽にして。」
「少々ミスしてもいい。
私自身よく間違う。 」
秘書候補が緊張のあまりタイプ試験でミスしてしまう。
↓
「もう一度やってみようか」
↓
内定
1945年4月 ベルリン陥落寸前の総統:
「空軍司令官は全員クビだ!!!!」 「敵が12キロまで迫ってるのに誰も報告せんとは!!」 「外交?今さらそんなもの。私はうんざりだ。
私の死後、外交でも何でもやれ。」
「爆撃にはプラス面もある。一から解体するより手間が省けるのだ。
戦争に勝った後、再建が早くなる。」
「第三帝国は単なる先進国ではない。無論デパートや工場、摩天楼も必要だ。
だが何より芸術文化の宝庫として、何千年も栄える。」
「今に残る古代都市アクロポリス。大聖堂のそびえる中世都市。そういうものを築きたい。」
「そうだ。シュペーア。
それが私の夢だった。」
「むろん今も」「ベルリンで成果を得る。
さもなくば死を。 」
「シュペーア。どう思う?」
↓
シュペーア「主役は常に舞台に。」
「撤退してはならん」 「北東部にいるソ連軍を押し戻せばいいのだ。情け容赦ない猛攻撃を加えてな。」司令官「どの部隊で?」 「・・・。」 「シュタイナー師団が北からだ。そこへ第9軍も」
司令官「第9軍の北上は無理です。北側の敵は10倍の数で・・・」「ヴェンクの第12軍が支援する!!」
司令官「第12軍は西進中です」「なら引き返させろ!!!」 司令官「西が無防備に!!」「私の命令に疑問か!?明確かつ完璧に説明したつもりだ!!」 モーンケ将軍「ただ、300万の市民は避難させませんと。」「懸念はわかる。
だが心を鬼にしろ。市民など構っている暇はない」
モーンケ「恐れながら女・子供はどうなります?負傷者や年寄りは?」「戦時に市民など存在せん・・・」
少年兵への勲章授与を行う総統:
「誇りに思うぞ」「勇気は将軍以上だ。」「よしよし・・・」
「歴史に残るぞ。ゲルマニアが廃墟から復活した時、諸君は英雄だ。」「栄光あれ」 スポンサーリンク
焦土作戦の総統:「敵がどこへ行っても廃墟しかないようにしろ」 シュペーア「国民に死ねと?」「戦争に負けたら国民が何になる。無駄な心配だ。国民が生き残れるかどうかなどはな。」「破壊し尽くせばいい」 「それで生き延びられねば弱者だということだ。仕方ない。」 シュペーア「あなたは国民の総統です・・・」「クズしか残るまい。最良の者たちはすでに死んだ。」
総統閣下シリーズ:
司令官「敵は広範に進撃中です。南の軍隊はツォッセンを突破。北はパンコとフローナウの間、東はリヒテンベルク、カールスホルスト。」「シュタイナーが来れば大丈夫だ」 司令官「総統・・・シュタイナーは・・・
今、彼の兵員は乏しく、もはや攻撃能力は・・・」「・・・。」「4名だけ残れ。カイテル、ヨードル、クレープス、ブルクドルフ」「・・・。」「命令したのに!!!!シュタイナーに攻撃しろと!!!私の命令に背くとはけしからん!!その結果がこれだ!!陸軍の嘘つき共!! 皆嘘をつく!! SSもだ!!
将軍はどいつもこいつも下劣な臆病者だ!!」 司令官「あまりの侮辱です!!」「臆病な裏切り者!!!負け犬だ!!!」 司令官「いくら総統でも・・・」「将軍共はドイツ人のクズだ!! 恥さらしだ!!!!」 「将軍とは名ばかり、士官学校で学んだのはナイフとフォークの使い方だけ!!
いつも陸軍は私の計画を妨げる!!!あらゆる手を使い私を邪魔し続ける!!!!」 「私もやるべきだった!!将校の大粛清を!!スターリンのように!!!!」 「私は士官学校など出てはいないが・・・それでも独力で欧州を征服したぞ! 」「裏切り者共・・・」「奴らは最初から私を裏切り、騙し続けた!!」 「ドイツ国民への恐るべき裏切りだ!!!」 「だが見てるがいい!!その血で償う時が来る!!!己の血に溺れるのだっ!!!」 「私の命令は届かない・・・
こんな状態でもはや指揮は執れない・・・終わりだ・・・。」「この戦争は負けだ・・・」「だが言っておく、私はベルリンを去るくらいなら、いっそ頭を撃ち抜く。」 「皆、好きにしろ・・・」「ユンゲさん、クリスチアンさん。
1週間後、飛行機が出る、すぐ支度を。」
「おしまいだ。希望は消えた・・・」
信頼する秘書達に自決用の毒薬を手渡す総統:「ヒムラーが十分置いていった」
「すまないね・・・こんなものしかやれん」
絶望の中で現実逃避しがちな総統:
「カイテル。今夜中に発って、デーニッツ元帥のもとへ行き立て直しを図れ」「再びことを動かさねばならん」 カイテル司令官「動かす・・・とは?」「油田がないのは致命的だ。大規模な作戦を実行できないのだ。」「
この件が片付いたら油田獲得を考えねば」
「質問は?」 カイテル「いいえ」「よし。 では、気をつけて」
ゲーリングの離反未遂にキレる総統:「あの愚か者。寄生虫め・・・! 成り上がりのクズめ!! 」 「この私を無能よばわりとは!」「あの能無しは、国を誤った方向へばかり導いてきた!! 」「挙句に・・・奴は私を裏切った・・・。この私をだっ!!! 」「もし私が死んでも、あの男は即時処刑だ」
シュペーアと語るのはいつだって壮大な理想:「ドイツと世界のための壮大な構想があった」
「だが誰も理解しない。最古の同志さえも。つくづく悔やまれる。あと一歩というところで・・・」
「公然とユダヤ人に立ち向かったことが誇りだ。」「ユダヤの毒からドイツの地を浄化した・・・!」「死ぬのは難しくない、ほんの一瞬だ。そして後は永遠の平安(笑) 」
シュペーア「国民はご容赦を」「我が国民が試練に負けても、私は涙など流さん。それに値しない。」 シュペーア「白状しますが・・・破壊命令を無視しました。 逆のことをしました
それを言いに・・・」 「忠誠は今でも揺らいでいません」「よし・・・さらば。」 シュペーア「お元気で・・・」
ヒムラーの裏切り:「弱さには死あるのみ」「いわゆる人道など、坊主の寝言だ」「同情は最大の罪だ。弱者への同情は、自然への背理だ」 ゲッベルス「強者は、弱者を排除してこそ勝利する」「私はこの自然の掟に従い、同情を自らに禁じてきた
例えば猿は、どんなよそ者も徹底して排除する。猿でさえそうだ。まして人間なら当然」ヒムラーの独断の報を聞いて
↓
「ヒムラーがリュークベッグで・・・西側で降伏を申し入れた・・・英国ラジオで公表・・・」「ヒムラー・・・」「よりによってヒムラーがっ!!!」 「誰より忠実な奴が・・・」「最悪の裏切り行為だ!!!」 「ゲーリングは前から腐っていた。シュペーアは世間知らずの芸術家!!他の者も大同小異!!」「だがヒムラーは・・・正気を失ったのか・・・!?」
いよいよドイツも終わり: 司令官「ソ連軍の進撃に対し、こちらは完全に劣勢です。兵員も弾薬も不足で。」
「北はヴァイデンダマー橋、東はルストガルテン、南はポツダム・プラッツ、西はティアガルテン。敵は至近に」「何日持つ?」 司令官「よくて2日」 「私は軍人として提案します。ぜひ脱出の努力を」 「すでに2万人近い若い将兵が防衛線で倒れています」「若者の使命だろう」 ゲッベルス「総統の脱出など論外だ。認めん。」
司令官「負傷者のことを考えてください!用意は整っています。」
ゲッベルス「総統が歴史から姿を消せると思うのか!!」「ヴェンクの第12軍がブッセの第9軍と合流し、敵を粉砕して我々を救ってくれる」 「ヴェンクは優秀だからな」「私の正しさがすぐに証明される。ヴェンクは来るとも」「ヴェンクはくる・・・・・・」
「どれくらい持つ?」
モーンケ将軍「20時間が限度かと。敵は数百メートル先です。食い止めてますが」「健闘を祈る」 司令官「”ヴェンクはシュヴィーロ湖の南、彼の第12軍に反撃能力なし、第9軍の大半は包囲された”と」「降伏は禁じる。諸君を含む、全将兵に」
総統最後の晩餐と、側近への感謝:
「ありがとう。おいしかったマンツィアリーさん」「時は来た。終わりだ。」 ゲッベルス婦人「総統!!逃げてください!!お願いです!!!
総統を失ったら私達はどうなります・・・?」 「人々は私を呪うだろう だがそれも運命だ」
同盟国 大日本帝国では: 「日本のいちばん長い日」(2015)名言集
内容:
降伏までの12日間を
ヒトラーと、周辺の軍人、ベルリン市内で最後まで戦い続ける兵士の視点を交え、ドイツ帝国の終焉に伴う混沌と混乱を描いた戦争映画です。
2時間半という長い映画ですが、緊張感を持って集中して観る事が出来ました。
ドラマ部分に重きを置いた作品ですが、派手な戦闘シーンが合間合間に挿入され、総じて完成度の高い作品となっています。
大作です。
彼の台詞からはこと自国民に対しての冷徹な態度が窺えますが、「弱い者は切り捨てなければならない」という総統の哲学と、強いリーダーとしての姿が垣間見れます。こういうのも何ですが、まぁ国の事を思えば合理的な思考とも思います。
そして、政治家として欠かすことの出来ない資質である愛国心に満ちています。
ヒトラーの人生とは思えば不撓不屈。あらゆる試練を自分の努力と根性で乗り越えてきて、傾いた国を見事立て直しヨーロッパを征服するまでに至りました。
自身に付き従い、着いて来れる者を率い、勝利の栄光を掴むはずだったのでしょう。
彼は、行ってきた悪い面ばかりが強調される
宿命にありますが、この映画はアドルフ・ヒトラーという人物を改めて見つめなおすきっかけになるようなインパクトがありました。
ただの悪党、悪い独裁者と、思考停止の臭いものに蓋で簡単に言い捨てるのは勿体無い、歴史の人物だといえるでしょう。
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:ベルント・アイヒンガー
製作国: ドイツ イタリア オーストリア 2004年
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